推し曲紹介

サークル活動の一環で推し曲のブログを書くことになりました。

曲を聞くのはすごく好きなのでどの曲について書くか迷いましたが、インパクトも含めての選曲になりました。その曲名は…

 

残響の鎮魂歌(レクイエム)

 

私自身ゲームが大好きなのですが、その中の一つ”艦隊これくしょん”というゲーム(以下艦これ)に出てくるキャラクターののテーマソングです。この時点で察するように、私は艦これのキャラの中で響が一番好き…というか推してます。この曲はそんな私が響を好きになった理由の曲でもあります。

響は第二次世界大戦において旧日本帝国海軍の特Ⅲ型(暁型)駆逐艦、その二番艦として竣工した艦です。終戦まで生き残り、太平洋戦争最後の砲撃を行なった艦として知られ、後に賠償艦としてソ連に渡った艦です。

この曲は、そんな響の艦歴を追った曲で、歌詞最初で『少し長くなる』と言った通り、曲全体で31分半にわたる超大作となっています。正直、予備知識なしでこの曲を聞くと飽きがきてしまいます。実際私がそうでした。Youtubeで見かけ、”艦これの曲”というだけで再生したはいいものの、とても長く最後まで集中できなかったので、コメント欄を読みながら聞いていました。そのコメント欄には、響の壮絶な過去が綴られており、この曲がそれをなぞるものであるとその時初めて理解しました。私はすぐにwiki駆逐艦響の艦歴を読み、改めて曲を聴き直しました。その時、涙がこぼれてきたのを今でも覚えてます。気づけば私はこの曲を3周してました。一時間半聞いても飽きませんでした。それだけこの曲は、私の心を揺さぶるものでした

できれば全歌詞を解説したいところですが、ダラダラ書いていても読む側が大変なだけなので、個人的に好きな歌詞をいくつかピックアップして紹介します。

曲の序盤、「1の君は闇夜を照らして、千の針に貫かれ、3の君はただ一人で、水面に消えた。4の君はあたかも、身代わりになるように、暗い底へ引き摺り込まれ、泡と静寂だけを残した」。上記したように響は暁型駆逐艦の2番艦で、暁型駆逐艦は全4隻。つまりここで言われる1の君は1番艦”暁”、3の君は3番艦”雷”、4の君は4番艦”電”、を差していると思われ、歌詞はそれぞれの最後を表していると考えられる。暁は夜戦にて、味方に敵船の位置を知らせるため、探照灯を使用。結果的となってしまい、敵船の集中砲火にあい轟沈…雷は艦隊から逸れたところを潜水艦に撃ち抜かれ一人で静かに轟沈…電は響とともに交代で夜間警戒にあったっていた時、響と交代した約5分後に敵船に沈められてしまった…
響はこの3隻と共に竣工し、ずっと共に活躍してきた。そんな仲間達が次々に沈められ、とうとう一人残されてしまう。その時の響の心境を思うかのような歌い方、曲調が心に刺さる。また最後の方に、似たフレーズが再び登場するが、これは歌い方、曲調含め実際に聞いてほしい。言葉では語るに語れない魅力が、そこに詰まっているので。

曲中盤、「どうしてまた私を残していなくなったの 孤独になる名声なんていらないから返して」同型艦の仲間たちが沈んだのち、仲間たちと組んでいた艦隊”第六駆逐隊”は解散され、また別の艦隊に所属した。気持ちを改め、再スタートを決めた響に待ち受ける運命は残酷なものだった。さまざまな海戦に参加する中で、仲間が沈み、艦隊が解散され、再び別の艦隊に配属。そして…以下これを繰り返した。そして気づけば、見知った顔の大半が沈んでいた。そんな中響は、さまざまな海戦の参加したり、多くの被害を出した海戦にて、直前の故障などによる修理で参加できず、結果として生き残るなど、その生命力の高さから評価を受け、いつしか”不死鳥”と呼ばれるようになった。
そこで上の歌詞。胸を締め付けられるような感覚になる。
この後歌詞は、「せめて最後に空へ放つ もう無駄だと知りつつ 火炎吐いたその姿は泣き叫ぶ鳥のよう」と続く。これは序盤でもかいた、二次大戦最後の砲撃を表していると思われる。また、泣き叫ぶ鳥は、不死鳥と呼ばれ称賛されるも、仲間を守れなかった自身への悲しさが秀逸に表現されており、これもまた胸を締め付けられる。

曲終盤、テンポが上がっていき、ソ連の賠償艦として引き渡された過去からか、歌詞にもロシア語が混じり始め、そこでつけられた新たな名前、ベールヌイ(ロシア語で信頼の意味)を胸に改めて力強く生きていく、そんな姿を想像させる。響はもうベールヌイとして、ソ連の艦として生きていくことが幸せなことだと思わせるような歌詞が続くが、ここで転調…ここら先は実際に聴いてほしい。歌詞を噛み締めるように…

ここまで書き記したことは、曲全体のほんの一部に過ぎないし、私の主観も入っていると思います。歌詞の解釈は人それぞれだし、それぞれが感じるものがあると思うのです。それを踏まえて最後に私の曲全体の感想を述べさせてください。響は1932年に浸水し、1970年に老朽化が原因で標的艦として撃沈されました。この38年もの間に、仲間を失い、艦隊を転々とし、最後はソ連に渡った。この壮絶な艦歴を30分で表現されていることに、感動が隠せませんでした。この曲を聴くと響について知りたくなり、響について知ることで、この曲の良さがさらに伝わる…そんな曲だと私は思います。最初は30分という時間に躊躇するかもしれませんが、私は30分かけて響について知るこの時間は、とても有意義なものだと思うのです。今回では書ききれなかった響のエピソードや艦歴はたくさんあります。だからこそ、この曲を聴いて、第二次世界大戦で活躍した駆逐艦「響」についてより知って、好きになってほしいし、この曲の本当の良さに気づいてほしいと私は切に思います。

最後になりますが、稚拙かつ長文となってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

以下、曲のリンクです。

youtu.be

また、響の艦歴をよりしっかり知りたい人向けにこちらも置いておきます。

響 (吹雪型駆逐艦) - Wikipedia